賃貸マンションでのトイレトラブルの再発防止策
流れなくなったトイレの修理
梅雨に入り各地で大雨が続く時期は屋外の排水設備にも負担がかかりやすく建物全体の水まわりに不具合が出やすくなります。そして新型コロナウィルス感染者数の増加で施設運営にも大きな負担がかかる中でも水道修理の依頼は時を選ばず発生します。体調管理や衛生対策に気を配りながら過ごしたい状況ですが水まわりの故障は待ってくれません。そんなさなか今回もいつも修理依頼を頂いている介護施設からトイレが流れなくなったとの連絡が入りました。便器内の水が全く引かず使用できない状態になっており施設内での衛生管理にも支障が出るため早めの対応が必要な状況でした。介護施設では利用者の方が連続して使うことが多く一つの便器が使えなくなるだけでも現場の負担が大きくなります。しかも水位が高いまま放置すると次に使った方が誤って流してしまいあふれの原因になるため現場では使用中止の表示や見守りも必要になります。トイレの流れが悪い段階で気付ければ軽い対応で済むこともありますが完全に引かなくなった場合は便器の内部かその先で強く詰まっていることが多く初期対応の内容でその後の作業規模が変わることもあります。
トイレのレスッポンで挑んでみるものの全く手に負えず今回も修理に参上しました。介護施設でのトイレの故障やトイレ詰まりは多く月に1回から2回ほど相談が入ることがあり原因として多いのが尿パットや紙オムツを排水時に流してしまうケースです。共通して見られるのは認知症の方が目を離したすきにトイレを使用し異物をそのまま流してしまうことです。ご老人施設の利用者さんたちは尿パットを使用されている方も多く着脱時に便器へ落としてしまいそのまま流してしまうことが想定されます。紙類と違って尿パットや紙オムツは水を吸うと急激に膨らみ配管の曲がりや便器の出口で詰まりやすくなります。最初は少し流れたように見えてもその先で止まり後から全く引かなくなることもあります。施設スタッフが少ない状況では見守りや確認が行き届きにくく新型コロナウィルスによる人員不足の影響も重なって対策を考えないと修理費用がかさむだけでなくトイレの利用制限による現場負担も増してしまいます。そのため単に詰まりを直すだけではなく異物を流しやすい状況の把握や使い方の周知や異常が出た直後の対応方法まで含めて相談を受けることもあります。
便器の排水トラブル
便器の排水トラブルには詰まりや水漏れなどがあります。詰まりの場合は水が流れずに便器内へたまり水位が高いまま下がらなくなります。水漏れの場合は便器から水が漏れて床や壁に水滴が付くことがあり原因の場所によっては少量でも床材の傷みやにおいにつながります。見た目が似ていても対応方法は異なるため水位の変化と漏れている位置とタンクの給水音の有無を見分けることが大切です。便器の中の問題なのかタンクや配管接続部の問題なのかを整理すると初期対応がしやすくなります。以下にそれぞれのトラブルの原因と対処法を現場で役立つ見分け方も含めて説明します。
●詰まり
流れなくなる詰まりはトイレットペーパーの量や紙質だけでなく便器に落ちた異物や排水管の途中で起きた停滞でも発生します。介護施設では尿パットや紙オムツが特に多く水を吸って大きくなるため便器内の通り道や床下へつながる排水経路をふさぎやすい特徴があります。家庭でも掃除用シートや生理用品やおもちゃや大量の紙が原因になることがあります。見分け方としては流した直後に便器の水位が急に上がるかゆっくりしか下がらないかゴボゴボと音が出るかを確認します。全く引かない状態は奥で強く詰まっている可能性が高く軽い紙づまりとは性質が異なることがあります。
詰まりの対処法としては原因が紙の流し過ぎ程度であるか異物であるかを先に考えることが重要です。異物が入ったとわかっている場合にレスッポンやローポンプで押し込むと便器の出口から先へ送り込んでしまい作業が大きくなることがあります。尿パットや紙オムツは押されるほど変形して奥へ進みやすく一度排水管内へ入ると便器を外すだけでは取り出せない場合があります。そのため水位が高いときは何度も流さず使用を止めて現状確認を行うことが大切です。軽い紙づまりなら時間を置くことで水がなじみ改善することもありますが異物の可能性があるときは無理をしない方が被害を広げにくくなります。
状況によっては修理依頼を早めに行うことが結果として費用と時間の負担を抑えることにつながります。便器内の水が全く引かない場合や異物を落とした心当たりがある場合やレスッポンを試しても変化がない場合は相談の目安です。集合住宅や施設では一つの便器が使えないだけでも運用に影響するため応急対応で長く引っ張らない判断も必要です。日頃からトイレットペーパー以外を流さないことと異常が出た直後に流し直さないことが詰まり悪化の予防になります。下水道側に問題があると他の排水口でも流れが悪くなることがあるためトイレだけでなく周辺設備の様子もあわせて確認すると原因の切り分けに役立ちます。
●水漏れ
水漏れの原因は便器の接合部分や配管の破損やタンクの故障などが挙げられます。床がぬれていても便器の外側に付いた結露なのか給水管の接続部からのにじみなのかタンク内部の不具合で便器へ流れ続けているのかで見方が変わります。便器の根元からにじむ水は設置部分のパッキン劣化や排水接続部の不具合が関係することがあり見た目以上に床下へ影響していることもあります。タンク横や止水栓付近のぬれは給水系統を疑いやすく便器内へ細い水が流れ続けているならタンク内部の部品不良も考えられます。
対処法としてはまずどこからぬれているかを確認し止水栓を閉めて変化を見ることが基本になります。止水栓を閉めると漏れが止まるなら給水側やタンク側が関係している可能性があります。反対に止水後も床のぬれが続くときは便器の設置部や排水接続側を疑う目安になります。便器の接合部分や配管の破損が原因の場合は修理か交換が必要です。またタンクの故障が原因の場合は内部部品の交換や状態によってはタンク交換が必要になることがあります。少量の漏れでも放置すると床材の傷みや臭気やカビの原因になるため様子見を長く続けないことが大切です。
水漏れは使用頻度が高い施設や賃貸住宅ほど早い判断が求められます。雑巾で拭いてもしばらくすると再びぬれる場合や給水音が長く続く場合や便器の根元が常に湿っている場合は水道業者へ相談する目安です。自分で締め直しを行うと部品を傷めることもあるため無理に触らず状態を記録して伝えると対応がしやすくなります。水漏れは詰まりと違って一見使えてしまうことがありますがその間にも被害が進みやすいため見つけた時点で早めに切り分けることが重要です。
賃貸マンションで何回もトイレつまりが起きてしまう原因
賃貸マンションで何度もトイレつまりが起きるときは一度だけの使い方の問題だけでなく建物側の排水条件や設備の状態が関わっていることがあります。表面上は毎回同じように見えても原因の位置が部屋の中にあるのか共用排水管にあるのかで対策は変わります。何度も同じ症状を繰り返す場合はそのたびにラバーカップを使うだけでは改善せず再発の間隔が短くなることもあります。まずは発生した日時と流した物と水位の変化と他の排水設備の様子を整理しておくと管理会社や家主や水道業者へ伝えやすくなります。以下に一部の可能性を挙げますが具体的な原因は現地の状況や使用状況によって異なる場合があります。
1.使用方法の誤り
適切な量や種類のトイレットペーパー以外の物を流したり一度に大量の紙を流したりする使い方は賃貸マンションでも詰まりの大きな原因になります。水に流せると表示された物でも紙質や量によっては便器の通路で滞留することがあります。来客が多い住戸や小さな子どもがいる家庭では誤って異物を流すこともあり一回の使用だけでなく日々の積み重ねが流れを悪くすることもあります。見分け方としては使用直後に症状が出やすく他の住戸では問題が出ていない場合に疑いやすくなります。初期対応としては流し直しを繰り返さず使用した物を思い出して異物の可能性を確認することが大切です。管理会社へ連絡する前に自己判断で押し込むと責任関係が複雑になることもあるため状況の記録が役立ちます。
2.下水管の水トラブル
マンションの専有部につながる下水管が老朽化していたり勾配不良や汚れの堆積があったりすると排水がスムーズに流れず詰まりやすくなることがあります。便器自体に異常がなくても配管の内側に汚れがこびり付いて通り道が狭くなると少ない紙量でも詰まりやすくなります。同じ住戸で長期間にわたり繰り返す場合や入居者が変わっても同様の相談が出ている場合は使い方だけでなく配管条件を疑う必要があります。見分け方としては便器内の流れがいつも弱いことや詰まりやすい日とそうでない日の差が大きいことが目安になります。排水管洗浄や内視鏡確認が必要になることもありこの段階になると管理会社や水道業者による点検が必要です。
3.集合住宅の共用排水管の水トラブル
マンションの共用排水管に問題がある場合は他の住戸からの排水の影響を受けて詰まりが発生することがあります。自室で何も異物を流していないのに水位が上がる場合や特定の時間帯だけ流れが悪い場合や他の住戸でも似た相談がある場合は共用部の可能性があります。こうしたケースでは住戸内だけを修理しても再発しやすく原因が残ったままになります。見分け方としては浴室や洗面やキッチンの排水にも変化があるか建物全体で不具合の報告が出ていないかを確認すると手掛かりになります。初期対応では無理に使い続けず管理会社へ早めに報告し建物全体の排水設備を確認してもらうことが重要です。
4.トイレ自体の故障
トイレの内部部品やフラッシュバルブなどが正常に機能していない場合は十分な洗浄水が流れず排水がうまく行われないため詰まりのような症状が発生することがあります。タンク内の水位が低い状態やレバー操作後の戻り不良や給水不足は見逃されやすい原因です。紙の量が多くなくても流す水の力が弱ければ便器内に残りやすくなります。見分け方としては詰まりのたびに水位だけでなく流したときの勢いと給水音とタンクのたまり方を確認すると判断しやすくなります。部品調整や交換で改善することもありますが賃貸では勝手に分解せず管理会社へ相談する方が安全です。設備不良が原因であれば入居者側の使い方だけに問題を求めない整理が必要になります。
5.異物の流入
トイレに異物や適切でない物が流れ込むことで詰まりを引き起こすことがあります。子どもがおもちゃや紙を流してしまったりペットのトイレ砂を処分しようとして流したりすると便器内や配管の曲がりで止まりやすくなります。施設で多い尿パットや紙オムツと同じように水を含んで膨らむ物は特に注意が必要です。一度流れて見えても奥で止まって後から症状が強く出ることがあるため流れたように見えた時点で安心しないことが大切です。見分け方としては詰まりの直前に何を流したかの記録が最も役立ちます。異物が疑われるときにラバーカップで押し込むと除去が難しくなるため水位が高い場合は使用を止めて相談した方が結果として作業範囲を抑えやすくなります。
トイレの詰まりが頻繁に発生する場合はまずは管理会社や家主に連絡して水トラブルを報告し修理や点検を依頼することが重要です。賃貸マンションでは専有部の使い方と建物側の設備不良が重なることもあるため一回ごとの応急処置だけでは原因を特定しきれないことがあります。正しい使用方法の周知や注意喚起や定期的なメンテナンスは予防に役立ちますが異物を流した可能性がある場合や何度も同じ便器で再発する場合や他の排水設備にも異常が出ている場合は専門の配管業者や水道業者に相談して適切な対策を取ることが必要です。今回の介護施設のケースでは便器を外して床下排水管へ落ちる前に尿パットを除去できたため大掛かりな配管工事に至らずに済みました。もし排水管内に入り込んでいたら便器脱着だけでは済まず作業範囲も費用も大きくなっていた可能性があります。異物が入ったと把握しているときは現状確認を先に行い押し込まないことが被害拡大を防ぐうえで大切です。介護施設や賃貸住宅のように利用者が多い場所では一度の詰まりが運用全体に影響するため日頃の周知と早めの相談が重要になります。